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【北海道住宅通信】掲載のお知らせ

北海道住宅通信(第866号) 令和8年9月15日発行号
代表取締役の星野のインタビューが掲載されました。
是非御覧ください。

<記事本文>

経験を積み重ねた先にある市場

大進ホーム(札幌市)代表取締役社長 星野 覚一朗 氏

新築市場の縮小に備え

大進ホームは2015年にLIXILリフォームショップに加入し、本格的なリフォーム強化に舵を切った。当初リフォーム部門の売り上げ規模は1億8000万円ほど。組織的な営業活動ができておらず、訪問するエリアの担当も決まっていなかった。

まずリフォーム部門の責任者を配置。新築のOB顧客を中心に、担当エリアを決めて組織的に訪問する体制を構築した。最初のうちはそれまでのアフター体制が不満だった顧客から叱られることも多かったが、そこから信頼関係の回復に努め、22年頃からリフォーム事業が成長軌道に入ってきた。

中途で優秀なスタッフを採用。新卒採用もスタートし、人員は当初の3人から6人体制に。今期のリフォーム部門の売り上げは4億7000万円まで成長している。

星野覚一朗社長は先々の新築市場の縮小を見越して、まだ主力の新築事業が好調なうちに別の柱となる事業を育てておきたい考えだった。実際に昨年、法改正の影響で多くの住宅会社が新築住宅の受注数減少に苦しんだ中、同社も新築事業は苦戦したが、リフォームと不動産事業の増収で黒字を維持することができたという。

不動産事業部は2年前に立ち上げ、中古マンションの買取再販にも注力し始めた。これまで4戸の物件を購入し、リノベーションして販売。現在もまた新たに3戸を購入し、リノベーションして販売予定だ。

リノベーションした物件と同じ棟にチラシをポスティングすると、それだけでほぼ広告費を使わずに10組来場するほど反響がある。不動産事業部は責任者1人で担当しているが、仕入れ力強化のため増員も考えているという。

道内でも昨今活況のマンションリノベーション市場だが、新しい事業者の参入も増えており、「すぐに過当競争になるかもしれない」と星野氏。木造建築に強い住宅会社が不動産業者よりも優位なのは戸建リノベーションの領域だ。

昨年11月にリノベーション事業部を立ち上げ、そこにリフォーム事業をけん引してきた責任者を配置した。新築OB顧客やその紹介から絶えず問い合わせがあり、すでに1人では対応が難しいほど。こちらも増員を検討中だ。「新築に手が届かない人の選択肢として中古+リノベーションは間違いなく需要がある」と星野氏は手応えを感じている。

リノベモデルを建設中

現在、札幌市東区伏古に「伏古リノベモデル」を建設中。Rconsulの井上氏監修の下、「壊さないリノベ」をコンセプトに、築40年の既存建物をできる限り生かして費用を抑えながら、断熱・気密、耐震、換気、劣化対策など、暮らしに重要な性能を現代でも十分な水準まで向上させる。

「壊さない」ことで建築確認申請が必要ない点も大きなメリット。サーモカメラを使って非破壊で既存建物の断熱性能を調べる「JJJ断熱診断」を行い、その結果に基づいて断熱改修を実施。既存外壁の上からカバー工法で外断熱する「ソトダンプラス」で、UA値を元々の0.85から0.35まで引き上げる。

床の傾きなども事前の診断ですべて把握し、根本の原因となる箇所を手当てする。壁量不足で「最低ランク」と診断された耐震性能も現行基準まで大幅に向上させる。気密性能は元々のC値6.56から施工後の実測で「2.0以下まで改善させたい」としている。

完成予定は10月。その前の7-9月に段階的に現場を公開し、一連の性能向上リノベーションのプロセスを実際に見て知ってもらう取り組みも実施中だ。

出来上がった建物だけでなく、完成した後では見られない内部の構造をどのように手当てして十分な性能を確保しているかまで見せることで、技術力をブランドとして認知させてゆく。

なぜいまリノベなのか

同じ住宅を扱う事業でも、新築とリフォーム・リノベーションは似て非なる別種の事業と言っても過言ではない。中古住宅を扱うには新築とは違った技術が必要で、木造建築に対するより深い知見が求められる。

星野氏はRconsulの井上氏を講師に招いて社内で研修を開いた際、中古物件の図面だけを見て、築年数からどこにどれだけの歪みが生じて、その結果どの壁にひび割れが起きているかまで当ててみせたことに感嘆した。こうした「見立て力」は膨大な経験の蓄積から身に付くもので、一朝一夕にまねができるものではない。

ただ、経営者として自社が目指す方向を明確に示し、経験の蓄積をスタートさせた。他社がまねできないレベルまで積み重ねていけば、その市場に敵は存在しない。

「価格で選んで失敗したユーザーは後悔する。住まいのことで絶対に後悔したくないからこそ、ユーザーは価格ではなく、きちんと建物を診断できる会社を選ぶ。地域の人たちも、地元にそういう会社があれば安心できると思う」。それが地域に根差した住宅会社の存在意義となる。

いま、縮小する道内住宅市場の中で相対的に大資本の大手ハウスメーカーがシェアを拡大しており、多くの地場中小住宅会社は事業存続の岐路に立たされている。あくまで新築で戦うのも、既存住宅のリフォーム・リノベーションに舵を切るのも、低層非住宅木造建築に活路を求めるのも、いずれにしても易しい道はない。

どの道を目指すにも、まず求められるのは経営者の覚悟と決断。現状を漫然と維持しながら会社が存続していける時間はもうそれほど長くは残されていない。

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